熱血リズム魂! でうっかり萌えちゃったので、せっかくだからダダ漏れにしようとしてるのです。
が、最近どうも日常垂れ流しブログです。時々きた萌えに対しても書いてるけど基本は応援団であってるよ!
一本木さんの演舞って、なんていえばいいのか。
上手い表現が見つからなくて。
-印象-
ある日のこと。
応援団の部屋に行くと、珍しく鈴木さんしか居なかった。
「お疲れ様です」
「おぅ、お疲れ」
置いてある椅子に座り雑誌を読んでいる鈴木さんは、自分の挨拶に声だけを返してくる。
それがいつものことなので気にもせず、自分はいつものように部屋の拭き掃除でも、なんて思った時だった。
「そうだ、田中」
「ハイ?」
思い出したように雑誌から目を離すと手をチョイチョイと動かし自分を呼ぶ。
鈴木さんが手招きなんて…と思ったが過去のことが思い出された。
「そ、その手には乗らないですよ!」
「へ? …あぁ、違うよ」
笑いながら否定するが、思わず身構えてしまう。
以前、こうやって二人きりの時に呼ばれ彼の元に行くと、いきなり目の前に雑誌を広げられたのだ。
中身は、海外版無修正の女性ヌード雑誌。
いきなり『ホレ』と見せられたそれは、自分には刺激が強すぎた。
その時は目の前がチカチカすると同時に意識を失ったのだった。
「いやぁ、あれは悪かったって」
ほれ、と手に持っている雑誌の表紙を見せてくれる。
それはこの間のものとは違う、経済系の雑誌だった。
「鈴木さん、そういうの読むんすか?」
「うっわー、お前馬鹿にしてねぇ?」
「はっ、すいません! そういうつもりじゃ!」
「いいっていいって。お前の中でアレだろ。俺はエロ雑誌しか読まないイメージだろ」
鈴木さんは、ゲラゲラ笑いながら受け流す。
怒られるんじゃないかと思わず九十度に頭が下がっていたが、その頭を軽く叩かれた。
恐る恐る上目で見れば全くもって怒っている気配が感じられない。
むしろ早く顔上げろよ、と促され言われた通りに顔を上げた。
「いやさぁ、お前もうちに入って大分経つだろ? みんなの演舞見てて、どういう印象か聞いてみたくてさ」
「印象、ですか?」
「おぅ。あると思うんだよな。そういうのビジョンに入れながらお前も演ってると思うからよ」
そう言われ、考えを巡らせるように視線が自然と斜め上を見てしまう。
まず最初に思いついたのは、ただいつも勉強しかしてなかった自分に熱い思いを教えてくれた百目鬼団長の演舞である。
「団長の演舞は雄々しいですよね」
すごい男らしいのだ。
この人は応援の為に世に生を受けたと言っても過言でないくらいに素晴らしいのだ。
実際に枯れてた木をも蘇らせるほどの応援をしたことがあるとも噂に聞いていたし…。
そして自分や百目鬼団長の演舞をサポートしてくれている鈴木さんや斎藤さんは完璧、と言う表現が近いと思う。
この二人は誰の演舞も寸分違わぬ動きでサポートし、見ている者達を不快にさせることがない。
チアリーディングの人達は、可愛い、かな。
でもその動きの中に秘めたるものを持っている。
だからこそ彼女達も存在しているのだと思う。
次々と出てくる全員分の印象を言い終えたと思い、ちょっと息を緩めた時だった。
「あれ? 一本木は?」
そう問われ、何故か言葉に詰まった。
少しの間の沈黙は、聞いた本人も考察の時間と捉え何の疑問も持たないでいたが、時間が経つに連れ妙な空気が流れ出す。
「田中?」
「あっハイ、すいません!」
名を呼ばれ少し焦る。
目の前で不思議そうに自分を見つめる鈴木さんの視線が痛く、とりあえず何か発しなくてはと思うと同時に口が勝手に動いた。
「何、て言ったら言いのかなぁ……」
「おぅ」
「…うーん…表現し辛…」
「は?」
鈴木さんの素頓狂な声に気付いて慌てて訂正を入れる。
「やっ、違、じゃなくて、えーと…なんて言ったらいいのか判らないんですよ」
「それは……一本木の演舞には何も印象がない、ってことか?」
「いや、そうじゃなくてですね」
すぐに鈴木さんの言葉を否定するが、どう表現していいか純粋に判らないのだ。
綺麗……じゃないし、男らしい……んだけどそんな簡単な言葉じゃない。
上手い表現が出て来ず、言葉はまるで紡げない。
「…………壁?」
「壁?」
やっと出た答えはそんな単語一つ。
それを繰り返した鈴木さんが首を傾げたが、自分は口元に拳を当てると呟いていた。
「いや…壁って言うのも適当じゃ…」
「なんだお前、テキトーかよ」
疑うような眼差しで自分を見る鈴木さんの視線に気付き、慌てて訂正をする。
「ち、違いますよ!? その『適当』じゃなくて…!」
慌てたおかげで、思いのほか大きく出てしまった声に鈴木さんは少し驚いたような顔をしたがすぐに笑い出した。
だが、なぜ笑われているかなど判るはずもなく、ただ頭の中にハテナマークが沢山浮かぶ。
しかし鈴木さんは大きな声で一頻り笑うと、目に浮かんだ涙を拭きながら言った。
「つか、壁ってなんだよ」
「だから、壁も合ってないって…」
言ってるじゃないですか、そう続けようと思ったときに閃いた。
それはあたかも簡単だったかのような答えで、妙に自分の中で合点がいったものだった。
「そっか、目標なんだ…」
「ん?」
鈴木さんの疑問顔に答えるように頷くと言葉を続けた。
「『目標』です。団長に追い付く為には、まずリーダーを越さなくちゃいけない。そう言う意味で『壁』なんですが、僕はまだそんな力がないんです。でもその壁を超える為にはまずリーダーの演舞に追い付く事が必要、だからリーダーは目標です」
「…なーるほどなぁ」
鈴木さんは感心したように頷いたが、そこで自分の答えが可笑しいことに気が付いた。
聞かれたのは『印象』であって、リーダーに対するものは印象と違う。
「すいません。何か答えが違いますよね」
「いや、大体わかったからいいよ。そっか、お前一本木に対してそういう思いだったのか」
椅子から立ち上がった鈴木さんは、自分の頭を軽く叩くとニッと笑い掛けてくれた。
その笑いに釣られるように、自分も自然と口の両端が緩く上がる。
その時ドアが開く音と同時に挨拶が聞こえてきたので、二人はその方向に顔を向けた。
「おーっす」
「よぅ、一本木。オッス」
入って来たのは一本木さん。
自分は慌てて彼の方向に身体を向けると、腰を九十度に曲げた。
「お疲れ様です!」
「いいよ田中、そんな挨拶せんでも」
笑いながら言う一本木さんは畳のある部屋の入口に座った。
それを見て、自分は鈴木さんの元を離れ二人にお茶でも、と思った時だった。
「あ、田中」
鈴木さんが自分を呼び止めると、そっと耳打ちする。
「さっきの話だけどな」
「はい?」
不思議そうに返事すると、肩を抱かれそのままこっそりと話を続けた。
「印象の話。あれ、一本木には絶対言うなよ」
「へ?」
「お前が目標にしてるなんて言ったら、あいつ絶対に浮かれるからさ」
「なーにコソコソやってんだよ」
一本木さんが自分達に対し、少し大きな声で話し掛ける。
鈴木さんはポン、と肩を叩くと一本木さんの側に寄った。
「何でもねぇって。田中、茶淹れてくんね?」
「あ、はい。わかりました」
鈴木さんは自分に軽くウィンクすると一本木さんの横に座る。
そして何か楽しそうに自分には判らない話題で盛り上がっていた。
自分はそれを見ながら、急須に茶葉を入れて茶を入れるための準備を始めた。
==================
やっと仕上がったー(バタリ)
実は6月最終更新を最後に今まで放置していた話です。
時系列としては『そこに吹く風』(随分前に書いたSSだな)から暫く立ってあたりを想定。
田中のポンに対する印象が困った。
テキスト最終更新日(6月)の時点では上手く言えない所にポン入室→田中怯える→ポンの逆鱗に触れる って考えたあとに、それとは違う『壁』になってて止まってました。
書き上がって良かったぁ。
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つぶやき(という名の更新履歴)
どこまで続くかわからないけど、と明記していたけど、思った以上にゆるりと続けられたことがちょっと驚きです。これも好き勝手してるのに見守ってくれている閲覧者の方々のおかげです!ありがとぅー!
*更新履歴* 2010年 10/12 通販ページ。 新刊を追加しました。 ご興味のある方はどうぞー。 10/4 スペースNo. (オフ情報) ・10月10日 SPARK 5 東2-オ 72a(応援団スペ) 当日は小説FCジャンルのプチオンリー『√成田』に参加表明しています。 5/3 通販ページ。 新刊を追加しました。 ご興味のある方はどうぞー。 4/26 スペースNo. (オフ情報) ・5月2日 スパコミ19 (1日目) 東5-な 34b(応援団スペ) Web本棚一時撤去 プラグイン表示から一時下げます。更新しなすぎるんだもん自分… 3/23 通販ページ。 新刊を追加しました。 ご興味のある方はどうぞー。 3/17 こそりスペースNo. (オフ情報) ・3月21日 コミックシティ 東1-ク 58b(応援団スペ) 2009年 11/2 通販ページ。 別ジャンル新刊を追加しました。 (ジャンプ系・D.Gray-manです) ご興味のある方はどうぞー。 8/18 Web本棚追加 追加、と言ってもプラグイン。 当たりかまわず載せていきたい(笑) 8/17 通販ページ。 新刊を追加しました。 ご興味のある方はどうぞー。 8/11 スペースNo. (オフ情報) ・8月15日 コミケ76 東3-イ 43a(応援団スペ) ま、まだ何も出来てないんだけどさorz 7/16 小話更新。 斉藤+杉田。 久しぶり更新はまた季節イベント絡み。 携帯から上げてたのを直したりしたんですよ。ノンタイトルだし…orz 4/17 こそりスペースNo. (オフ情報) ・5月3日 スパコミ18 東5-な 35b(応援団スペ) 3/16 オフ情報。 通販ページ。 新刊追加+完売リスト更新しました。 ご興味のある方はどうぞー。 3/5 こそりスペースNo. (オフ情報) ・3月15日 コミックシティ 東4-ち 38b(応援団スペ) 2/15 小話更新。 菊地→田中。 久しぶり更新がまたイベントもの。 でもバレンタインにあんまり絡んでない気がしたけどいいの!(開き直り) 2008年 12/25 小話更新。 今回は西園寺の心描写を頑張ったつもり。 イルミネーション=クリスマス。 ぎりぎりだけどイベント物なんだぜ。 9/29 通販。 『オフ情報』から通販ページを独立させて『通販』カテゴリ作りました。 そしてページ更新。完売リスト作ったよ。 完売ありがとうございます! 細々でもやってて良かった! 9/26 スペースNo. (オフ情報) ・9月28日 コミックシティSPARK3 東5-な 63b(応援団スペ) 9/10 小話更新。 久しぶりの更新は一田。 ちょっと先輩ヅラしてる一本木なんだぜ。 どうでもいいけど肉まんヒーター見てあんまん買ったのは私です、ハイ。(<ネタばれ) 8/18 オフ情報。 通販ページ更新。 新刊追加しました。 ご興味のある方はどうぞー。 8/12 スペースNo. (オフ情報) ・8月16日 コミケ74 東5-ぺ 11a(応援団スペ) 5/27 小話更新。 久しぶりの更新は杉田+斉藤。 よく判らない話になっているかも知れないけどキニシナイ。 ついでに乙女仕様っぽいのもキニシチャイケナイ。 5/6 オフ情報。 通販ページ更新。 新刊追加しました。 ご興味のある方はどうぞー。 4/14 こそりスペースNo. (オフ情報) ・5月3日 コミックシティ 東4-い 3b(応援団スペ) 2/10~17 萌えがたり。 バレンタイン話(全4話)投下。 2/10 (1)、2/11 (2)、2/13 (3)、2/17(4)の順です。 現在、別部屋を試運転中。 |
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一応、字書き。書き方やら表現力をもっと頑張りましょうなのは否めませんがチマチマと書き散らかし中。
更新速度は亀なんて目じゃないくらい遅めどころか、殆ど日常を月1程度に更新しかしてなくてすいません。ついったー(こっちのHNとは別名)で呟いてることが増えました。
一応、字書き。書き方やら表現力をもっと頑張りましょうなのは否めませんがチマチマと書き散らかし中。
更新速度は亀なんて目じゃないくらい遅めどころか、殆ど日常を月1程度に更新しかしてなくてすいません。ついったー(こっちのHNとは別名)で呟いてることが増えました。