斉藤さんと杉田さん

いや、なんか急に書きたくなった……（もごもご）

えーと、このブログは他所で影響受けやすい管理人が運営しており、たまにうっかりしたものが上がる時があります。被ってるよバーカ！とか石投げられるのも覚悟出来てますので、うっかり被ってたらメルフォから教えて下さると嬉しいです。


もし興味ある方は『つづき』からどうぞ。

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　ふと気になったもの。
　それは隣町の応援団、サイドの方の眼帯の人。


－その瞳が写すものは－


　隣町の応援団の方々と合同演習をすることになった。
　今、私こと杉田謙信は夕日町応援団の団室へ出向いている。
　私達の団室とはまるで雰囲気の違う部屋。
　物珍しいものを見る子供の様に、中へ促されてからも視線を泳がせていると声を掛けられた。
「すみませんね、散らかっていて」
「あ、すいません…落ち着きなくて」
　照れながら申し訳なく謝ると、声を掛けてくれた方が私の前へ茶碗を一つ差し出してくれた。
　客用という感じではない、少し大きめな湯呑み。
　中の綺麗な緑色が、ゆるりと湯気を燻らせていた。
「どうぞ、粗茶ですが」
「ありがとうございます」
　軽い会釈と共に湯呑みに手を伸ばして啜れば、口の中に広がる香り。
　思わず驚いたが、こんなに落ち着く香りのお茶に出会えたことを素直に喜んだ。
「素晴らしいですね、こんなに美味しい緑茶を頂いたのは初めてかもしれません」
「そう言って頂けると嬉しいですね」
　その人は私の前に座ると嬉しそうに微笑んだ。
　そしてその人も喉を潤すかのように茶を一口啜ると背筋を改め自己紹介を始めた。
「改めまして。夕日町応援団の斉藤と申します」
　失礼ながら厳つい面持ちとは裏腹な、優しい物腰。
　つられるように私も改めて自分を名乗ることにした。
「こちらこそ改めまして、朝日町応援団の杉田と申します。今日は宜しくお願いします」
「ま、堅苦しい挨拶はこの辺にして始めましょうか」
　斉藤さんは優しく笑うと再び一口だけ茶を啜ると、互いのスケジュールなどの打合せを開始した。


＊＊＊＊＊


「じゃあ、最初の日取りはこの日と言う事で」
　私がスケジュール帳に書き込みをすると、斉藤さんは手元にあったカレンダーに丸をつける。
　打ち合わせ自体は思っていた以上にスムーズに終わった。
「思ったより早く終わりましたね、今、お茶のお代わりを淹れて来ましょう」
「ありがとうございます」
　斉藤さんが淹れてくれる茶がもう一杯飲めるのは心底嬉しかった。
　私は、目の前を立ち給湯室へと歩いていく斉藤さんの背を目で思わず追ってしまった。
　そして彼の姿が見えなくなると、不躾と思いながらも再び室内を見回した。
　今、私達が打合せをしていたテーブルのある部屋の奥にせり上がりのようなものがある。
　ちらりと見えるのは、もしかして畳？
　思わず興味が湧き、椅子から立ち上がろうとした時に斉藤さんが戻ってきた。
「どうしました？　杉田さん」
「あ、いえ…えーと…」
　何でか判らないけど思わず言葉を濁してしまった。
　少し伐が悪い気分で私が俯いてしまうと、また先程と同じ湯呑みが置かれる。
　但し、今度はそれだけではなく小さな皿も目の前に置かれた。
　それは繊細そうな上生菓子である。
　斉藤さんは自分の前にも同じように湯呑みと小皿を置くと席に付いた。
「もしお嫌いでなければ」
「ありがとうございます」
　斉藤さんは、私の態度を気になさらない様にしてくださっているのか再び茶を啜る。
　私は何だか恥ずかしくて新しく出してもらった茶に中々手を伸ばせなかった。
　すると、それに気付いた斉藤さんが首を傾げながら私の名を呼んだ。
「杉田さん？」
　その優しい声に、思わず心が跳ね上がった。
　びくり、と肩を揺らしてしまうと更に顔が上げ辛い。
　私は顔が紅潮するのを感じながらも、ゆっくりと顔を上げると斉藤さんは何も気になさらないかのように上生菓子を二つに割っている。
「あの…」
「うちの団室変わっているでしょう？　和室がついていてどこか学校の部室とかのようで…これ、うちの団長の意向なんですよ」
　私の先程の所業を見透かすかのように和室の事を答えてくれる。
　それに対して恥ずかしさより驚きが先だった。
　自分が聞きたいことを何となく察してくれているかのようで。
　そうか、だからさっきの打ち合わせも早く終わったんだ。
　私は自分の中で全てが納得できてしまい、出された上生菓子を口にすると斉藤さんの顔を見た。
「…すごい美味しいです」
「お口に合うようで良かった」
　斉藤さんはどこか安心したような顔をすると私を真っ直ぐ見てくれる。
　何だかその視線が気恥ずかしくて、思わず俯くと黙々と上生菓子を平らげた。


＊＊＊＊＊


「今日はご馳走さまでした」
「いえ、こちらこそ対したお構いも出来なくて」
　斉藤さんは私の挨拶に深深と頭を下げてくださる。
　私も思わず同じように挨拶をする。
　そして二人同時に顔を上げると、思わず噴き出してしまった。
「では私はこの辺で」
　そう言って斉藤さんに背を向けて歩き出す。
　でも何か、まだ足りなかった。
　もっとあの人と色々な話をしてみたい、そう思ったけどここで振り返っても変なわけで。
　少し残念な感じでゆっくりと一歩ずつ歩いていた時だった。
「杉田さん！」
　待っていた声で呼ばれ、歩みを止めると振り返る。
　すると急ぎ足で自分の元に斉藤さんがやってきた。
「どうしました？」
「いえ、あの…あ、もしも緊急があると困るじゃないですか。だからその……貴方の携帯電話の番号とか教えて頂けると」
「あぁ、そうですよね」
　私は疑いもせずに携帯を取り出すと斉藤さんに番号を告げる。
　そしてその場で折り返してもらって斉藤さんとの番号交換は終了した。
　だが、斉藤さんがまだ何か言いにくそうに携帯を弄っていたのが印象的だったがすぐに察した。
「そうだ、アドレスも交換させてもらって良いですか」
　私から提案すると、斉藤さんは明るい表情になった。
　何だか私も嬉しくてすぐにアドレスも交換する。
　すると、斉藤さんが私を真っ直ぐ見つめ、真剣な目をして聞いてきた。
「あの、迷惑でなければなのですが。私用で送っても…」
「…え？」
「い、いえ！　迷惑ですよね、すいません」
　斉藤さんは慌てて手を振り下を向いてしまったが、私は構いませんよと返事をする。
　すると驚いたように斉藤さんが顔を上げた。
　そんな斉藤さんが何だかいとおしく感じて、私は微笑むとそれでは、と礼をして歩き出した。


　私が言い出せないような事でも察してくれる人は、剛以外では初めてかもしれない。
　それが嬉しくて、私は携帯に登録したばかりの名前を見て一人微笑んでいた。


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文章が下手過ぎて恥ずかしくて死ねるorz　でも見せたがりなのであっぷ。

本当に書きたかったのは斉藤さんが眼帯をしている理由を聞く杉田。
脳内で斉藤さんが眼帯している理由捏造も出来てたのに、なにか違うものが出来あがり…？（だからタイトルつけたけど合ってないんです）

実はこのSS、管理画面で直打ちでした。違う意味でドキドキした！