むはー

携帯で書いてて、オチも脳内にあったくせに文字を打つのが面倒だった話。
短いので『萌えがたり』にしといた。

 

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　毎日じっとりと空気が肌に纏わりつく。
この時期特有の空気は無意識に眉間へしわを刻ませた。
「あ゛ー」
一本木は表現しがたい擬音を上げると腕を延ばして机に突っ伏した。
正面には涼しい顔で広げたノートにペンを走らせている田中の姿がある。
だが田中はペンを止めると目の前にいる一本木を見ると同時に溜息を吐き出した。
「…先輩、もっとシャキッとしてくださいよ。変な声出してないで」
「ジメジメして気持ち悪ぃンだから仕方ねぇだろ」
「…そういう季節なんですから諦めてください」
田中は呆れたように言うと再び手元に視線を落としペンを走らせる。
「……」
恨めがましい目で田中を見た一本木は顔だけを上げると机に顎を乗せる。
そして伸ばしたままの手をさらに伸ばすと田中が使っていたもう一冊のノートに届いたのでそれを指先で押すと田中が眉を寄せた。
「邪魔しないでくださいよ」
「何してんだ、お前。さっきからさ」
田中は信じられないものを見るような目で一本木を見たがすぐに吐き出す言葉を溜息に変えた。
しかしそういう事にすぐ反応するのが一本木である。
そのままの姿勢は崩さず田中を睨むが、珍しく凄まずに口を尖らせた。
「何だよ、その溜め息はよー」
むしろ田中にとってはその反応が意外だった。
驚いたように一本木を見るが、一本木の視線は本人の指の先だ。
「先輩…」
「ん？」
「熱でもあるんじゃないですか？」
訝しがる田中に一本木もまた同じような視線を田中に返す。
しかし何か言い返すわけではなく頬を膨らませると、ぷいっと横を向いてしまった。
その態度は子供そのもの。
絶対に見られることがないような態度に田中が戸惑いを隠せずにいると、一本木は再び顔を田中の方に向けた。
しかしその表情はニヤニヤとしている。
「！？」
「ふーん、そんな顔だって出来るんじゃねぇか」
「は…、嵌めましたね！」
一本木の言葉に顔を真っ赤にした田中が叫ぶと、一本木が楽しそうに笑う。
それに今度は田中が子供のように膨れ、勢い良く立ち上がった。
「おい、どこいくんだよ」
「買い物ですっ！」
踵を返し、わざと大きな足音を立ててドアへ向かう田中の背に一本木は声を掛けた。
「俺、アイスねー」
しかし田中は振り向きもせず、乱暴に外へ出てしまった。
数分も経たないうちに、そのドアが開くとそこには斉藤の姿があった。
「おぅ、おつかれ」
「今、そこで田中を見掛けたんだが？」
「あー…」
一本木は身体を起こすと、今度は背凭れに寄り掛かって斉藤を見た。
斉藤は机に広げてあったノートに気が付き、それを手にとって内容を見ると、今度は顔を上げてカレンダーを確認する。
「そうか、もう七月か」
「何かあったっけ？」
一本木の反応に斉藤が驚いた表情を向けると、何か納得したように一人頷く。
そしてノートを元に戻すと一本木に向かって言った。
「お前、追試だけは避けるようにしとけよ」
「あ？　…………あ゛ーっ！」
一本木は叫ぶと同時に椅子から立ち上がると、慌てた様子でポケットから携帯を取り出して操作をしながらドアに向かう。
だがドアノブに手を掛けた所で足を止め、くるりと斉藤に振り返った。
「斉藤さん、ちょっと出掛けてくる」
「はいはい」
一本木は慌てて外へ出たと同時に何やら話をしている。
それを聞いていた斉藤は、困ったように笑みを浮かべると溜息を吐いた。


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これを思いついた際に思い出した自分設定 ＝ 応援団はみんな大学生（フィルター全開）

もう7月かよ。7月といえば前期試験時期と連想ゲーム。
と、いう訳で書き出したのは7月入ってからでした。帰り道にちまちまとやってました。

もう表現がおかしいとか、そこら辺は目を瞑ってもらえればいいと思う。
ちなみに一本木はあんな反応じゃなくて普通はもっと凄む系だと信じてる。